コーヒーの味と焙煎の関係。浅煎りと深煎りの違い

コーヒー豆の焙煎はすごく繊細で、少しの焙煎時間や温度で大きく味が変化する。同時に焙煎したものでも、熱伝達の差で色が微妙に違うことも珍しくない。コーヒーを飲んだことのある人なら必ず感じる「苦味」と「酸味」。今回はこの味わいを大きく左右する豆の色=焙煎度合いについて。


_コーヒーの味と焙煎の関係

  CONTENTS


・焙煎とは

・焙煎度合いの種類

・浅煎りとは

・深煎りとは



| 焙煎とは

そもそもなぜコーヒー豆を焙煎するのか。その答えは単純で、「味と香りが格段に良くなる」からだ。元々は生豆の状態で食べたり煮込んでスープにされていたが、焙煎することでその味と香りに魅了される人が増え、一気に飲料として、嗜好品として人気になっていったといわれている。


だけど、ただ炒って焦がすというわけではなく、豆それぞれに合わせた焙煎をすることで、その個性は最大限に引き出すことができる。自分も子供の頃からずっと感じていたコーヒー=苦い飲み物という概念が一気に変わったのがこの焙煎の度合いを知ってからだ。知れば知るほどその魅力に引き込まれる焙煎。まずはマクロでの違いから。

| 焙煎度合いの種類

焙煎の度合いについては、一般的には8段階あると言われている。浅煎り(ライトロースト、シナモンロースト)、中煎り(ミディアムロースト、ハイロースト)、深煎り(シティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンロースト)の8つだ。色んなお店があるので一概には言えないが、日本の喫茶店などで飲むことのできる、いわゆる苦いコーヒーはハイロースト〜フルシティローストの豆が使われている。細かい度合いについては、相当数な経験値が必要になってくるので、まずは誰にでもわかりやすい浅煎りと深煎りについて。

写真左が浅煎りの豆、右が深煎りの豆。見た目はわかりやすく、浅煎りはベージュから明るいブラウンの様な色で、深煎りはブラックに近い様な色だ。あとは深煎りの豆は表面の照りが特徴的で、焙煎が深くなればなるほど、豆の脂質が表面に出やすくなる。次はそれぞれの特徴について。

| 浅煎りとは

より生豆に近く、本来のフルーティな味わいを堪能できるのがこの浅煎り。ライトロースト、シナモンローストがここに当てはまる。浅煎りにおける最も特徴的な要素が「酸味」だ。日本でも流行しているサードウェーブコーヒーの各店はスペシャルティコーヒーの浅煎りを提供している。苦いコーヒーが苦手な人は是非試して欲しい。きっとこれまでの固定概念が崩されるだろう。改めてコーヒー豆が果実であることを認識できるフルーティで爽やかな味わいが魅力だ。

豆知識ではあるが、コーヒーの成分であるカフェインは浅煎りの方が多いと言われている。少しネガティブなイメージもあるとは思うけど、その効果は「自律神経の働きを高める」「集中力を高める」「体内の老廃物を排出する」など多岐に渡る。一方でコクや香りの部分では深煎りの方が好みという人もいるだろう。次はそんな深煎りについて

| 深煎りとは

特に日本の喫茶店文化において、まだまだイニシアティブを持つ深煎り。コク深い苦味が最大の特徴だ。シティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンローストが当てはまる。市販されているレギュラーコーヒーなんかはほとんどがこの深煎りに分類される。あとは、カフェオレやカフェラテ、カプチーノなどのミルクで割るものにもこの「苦味」が重要になってくる。


焙煎時間を長くし、より火を入れることでコクや香りが増幅していき、先述した浅煎りの「酸味」はほとんど無くなると言っていい。浅煎りと深煎りのコーヒーはもはや別の飲み物と言っても過言ではない。自分も最初は深煎りが好きで、浅煎りのコーヒーを飲んだ時には衝撃を受けた。もはやフレーバーティーのようなフルーティさと酸味、その奥にある甘さ。今となっては浅煎りばかりを飲むように。

この焙煎のカテゴリーは、細分化するとまだまだ奥深くここでは伝え切れないので、また別の機会に。こういった知識を持っているとよりコーヒーを楽しめる。