ADIRONDACKのキャンパーズチェア。バランスのとれた理想の椅子
キャンプに持って行く理想の椅子とはどんな物だろう。小さくなる?軽い?頑丈? デザイン?求める物は一つではなく、総合点で決めていく。Helinoxとかカーミットチェアとか、いわゆる定番と言われる人気商品も使ってみたが、キャンプ場へ行くとあまりに使っている人が多くて、ひねくれ物の自分としては違った物にしたくなる。そうこうしていると、なかなか納得のいく椅子に出会えなかった。2019年の「POPEYE」のキャンプ 特集で載っていたこの「Adirondack」のキャンパーズチェアがなんとなくずっと気になっていた。迷っていたが、結局買ってみて最高だったので、今回は「Adirondack」のキャンパーズチェアについて。
ADIRONDACK
キャンパーズチェア
CONTENTS
・Adirondackとは?
・サイズと重さ
・座り心地
・デザイン
・設置のし易さ
・コストパフォーマンス
・まとめ
|Adirondackとは?
1977年創業の老舗アウトドア輸入販売店A&Fのオリジナルブランド。「一過性の流行に左右されることのない物作りと普遍的なデザインや機能を兼ね備えた物」の提案をコンセプトにアウトドアのギアを展開している。とても共感できるコンセプトだ。アウトドア業界で40年、アウトドア関連の商品を仕入れてきた会社が提案するギアは、とても説得力があり商品も気が利いている。
|サイズと重さは?
サイズは、(使用時)W57×D68×H90cm (収納時)W14×D14×H108cmと収納時の高さはかなりある。フレームがアルミ合金になっているので重さは2.9kgと持ち運びしやすい。別途でナイロン生地のケースが付属する。シートはコットン100%、耐荷重が80kg。座面が43.5cmと高めで座ったり立ったりしやすく設定されているが、ロースタイルのテーブルを使用する際にも問題なく使える高さになっている。
|座り心地
ここがこの椅子の一番の特徴。自分はこれまでHelinoxのサンセットチェアを使っていた。重さや携帯しやすい大きさはHelinoxに軍配が上がるが、どうしても座り心地が満足出来なかった。アームがないので腕の収まりも悪いし、お尻まわりの収まりもしっくりこない。
このAdirondackのキャンパーズチェアに座って、こんなに違うのかと驚いた。初めてキャンプ場で椅子に腰掛けながらうたた寝していた。
この座り心地の良さを分析してみた。
–背もたれ
背もたれの高さが抜群。座った時に、身長172cmで背もたれの一番高い部分が自分の頭の半分ぐらいの高さにくるので、頭を背もたれに預けられて首に負担がかからない。Hlinoxのサンセットチェアは、頭より背もたれが高く、椅子自体もそこまで後ろに傾斜していないので、頭を背もたれに付けた時にしっくりこない。
背もたれの傾斜角度もとても良く計算されていて、座った際に気持ちよく体を預けられ、なおかつ立ち上がる際にもストレスのかからない角度になっている。
–アームレスト
やはりこれがあるのと無いのでは、座り心地に雲泥の差がでる。キャンプ場で、川とか見ながらぼーっとしばらく座っていたい時がある。そんな時、アームレストは威力を発揮する。この腕の角度に沿ったアームレストの傾斜も素晴らしく、気持ちよく腕が収まってくれる。
–高さ
キャンプでは、料理や焚き火なんかの時に立ったり座ったり頻繁にしないといけない場面がある。この座面43.5cmという高さは、そういう時にも丁度いい高さだ。立ち上がる際にストレスがなく、座っている時にも足が伸ばせてどんな場面にも対応できる。
–シート
シートの張りも抜群だ。固すぎず、かといってダルダルでもなく適度に体をホールドしてくれる。またシート部分はコットン100%。体に触れる部分なので素材が化繊でないのはとても嬉しい。
| デザイン
人気のカーミットチェアなどは、たぶん家の家具の延長として人気があるんだろうと思う。実際に木材の見た目の圧倒的な佇まいやあの分厚いニス塗りの感じは物欲をくすぐられる。
自分は、アウトドアで使うギアはタフでシンプルで機能的な物が好きだ。この椅子は、後ろがX(トラス)構造になっていて強度もしっかり確保されている。シンプルながら求められる機能を確実に満たし、主張しすぎないギア。まさにこの椅子はその全てを満たしている。
色は迷わずブラックを選んだ。フレームまで全てブラックで仕上げているので、アルミ特有の安っぽさも黒の塗装が打ち消してくれる。雰囲気も軍物っぽくて、上品過ぎないアウトドア感があり、シートのコットン生地やフレームの適度な細さが大人っぽくていい感じだ。
|設置のし易さ
とにかく設置しやすい。袋から出して、ガバッと開いて置くだけ。1分とかからず終了する。自分はいつもオートキャンプをするので、長時間の運転の後にテントやタープを張り出すまで、しばらく椅子に座って休憩するが、その時に設置する手間がかかると疲れもあってウンザリする。たかだか5分程の違いだけど、目的地に着いた時、帰る時、この設置し易くて片付けやすい作りがストレスを軽減してくれる。
|コストパフォーマンス
本体価格は9,500円。安い。アルミフレームでコットン生地だと、スノーピークなどにも同じ素材の物はあるが値段が高い。このデザインと座り心地、頑丈さなど総合的に考えてかなりハイコストパフォーマンスなチェアだ。
|まとめ
結局、キャンプ で一番使用頻度が高いアイテムは椅子だ。なので、このアイテムは妥協ぜずに選ぶことをオススメする。このAdirondackのキャンパーズチェアを超える椅子はしばらく出会えなそうだ。
この価格帯で、無駄がなく機能的な大人っぽいデザインで、あらゆるシーンを加味した設計と座り心地を両立させている。Helinoxと比較すると少し重いし、収納時も高さはあるが、オートキャンプする上では自分は全く問題にならない。車に積む際も高さだけならスペースも取らない。それを加味しても余りある座り心地は、その不便さを今のところ超えている。是非おすすめしたいキャンプ ギアだ。
また、別記事(最初から買うべきキャンプギア10選 PART.1 / PART.2)で小物のキャンプギアの紹介をしているので興味があれば是非。